彼女が目を開けて
初めて見たのが
愛する男の亡骸だった
しかも
自分の瞳のせいで
死んだ━━━
彼女は
自ら
見たのでしょう
自分の瞳を
だからこれは
れっきとした
心中ですよ━━━
ついに
大人になることのできなかった
皇太子の無垢なる瞳が
メドッサの瞳の中に
見たのは
絶望という
甘美な闇
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